河本社労士事務所 医院経営の方へ

労務管理

労働時間

現在、法律で週所定労働時間に上限を1日8時間、週40時間と定められています。ただし、特例として病院等保健衛生業、商店、理容・美容業などで常時使用する労働者の数が10人未満の事業所(特例措置対象事業場)では1週の所定労働時間は44時間まで認められております。(常時使用する労働者とは、週に数日勤務するようなアルバイトさんも含まれます)

変形労働時間

労働時間を必ず1日8時間、週40時間以内にしなければならないというわけではなく、一定要件を満たした場合1ヶ月または1年を平均して40時間以内になれば、特定された日または週において前記の労働時間を超えて労働させることができます。診療所様では、一般的には1ヶ月単位の変形労働時間制変形が利用しやすいかと思われます。

1ヶ月単位の変形労働時間制について

1ヶ月単位の変形労働時間制とは、1ヶ月以内の一定の期間を平均し、1週間の労働時間が40時間(特例措置対象事業場は44時間)以下の範囲内において、1日及び1週間の法定労働時間を超えて労働させることができる制度です。この制度は、労使協定又は就業規則等に定めることにより採用することができます。

変形期間における法定労働時間の総枠の範囲計算方法。

従って、31日の月では40×31÷7=177.1Hまでのシフトを組めます。また、事前に組んであるシフトの範囲内であれば1日の労働が8時間を超えても時間外割り増し賃金を払う必要はありません。

|↑|ページTOPへ戻る

固定残業代

多くの院長先生から、ほとんど定時に終わっているのに、スタッフが制服を着替えてスタッフ同士ゆっくり話をし、それからタイムカードを打刻するので月に10〜20時間程の残業が発生してしまうのが気になる(不満だ)との相談があります。この問題は、後片付けが終わったらさっさと着替えてタイムカードを打刻するよう指示することによりある程度解決できますが、その方法だとどうしてもある程度の残業代が発生します。それをきっちりと払うほうがいいという考え方の先生は、払っていらっしゃいますし、法違反と分かったうえで15分未満切捨て等で対応されている先生もいらっしゃいます。ただし、最近は未払い残業の問題が世間をにぎわしており、またコンプライアンスの観点からも問題があります。そのような場合によく使われているのが、固定残業代の考え方です。例えば、衛生士さんを20万円で募集をする場合に次のようにするやり方があります。 

月平均の所定労働時間が160時間の診療所さんで20時間の固定残業を導入する場合

200,000円÷(160H+20×1.25)≒1,082円(通常の時間単価)
1,082円×1.25≒1,353円(残業単価)
1,353円×20H=27,060円(20Hの固定残業代)
200,000円−27,060円=172,940円

端数を調整して基 本 給:172,900円固定残業代:27,100円(20H分の固定残業代として)

固定残業代とは、実際の残業時間が20時間未満であってもこの額を払います。また、実際に残業した時間が20時間を超えるような場合は、その超えた時間分を残業代として払います。 今いるスタッフの人にいきなり固定残業代の考え方を入れるのは問題がありますが、採用時から趣旨を説明し、理解納得してもらえばそれによるトラブルやモチベーション低下、忠誠心低下などはほとんどないと思います。なぜなら、労働条件は、労働時間、休日、休暇、月次給与、賞与、退職金、福利厚生などトータルで考えるのが一般的だからです。 また、モチベーション、忠誠心なども「自分の成長が実感できる」「先生からも患者様からも感謝され必要とされている」「院内の雰囲気がいい・人間関係がいい」などの影響が大きいからです。

|↑|ページTOPへ戻る

診療所における労使トラブルのよくある原因と対策

私の事務所の基本姿勢は、先生に対して耳障りのよいことを言って先生側に立ったアドバイスをするというのではありません。医院の長期的な発展の為に、短期的には先生にとって耳障りであったり、逆にスタッフの方にとってやや不利益であっても、長期的に労働条件の向上により、定着性やモチベーションを高め、スタッフにも医院にとってもよいと思われる労働条件を提案させて頂きます。

罫線

先生が「患者さん満足」に軸足を置くあまりにスタッフに厳しくなりすぎ、院内がギスギスすることがあります。

解決策

先生の頭の中で患者さんと先生の間にスタッフをイメージし、先生が必死にスタッフを可愛がったらその何パーセントでもスタッフが患者さんを大事にしてくれると思われたらいかがでしょうか(言うは易し、小野ヤスシ?ですが・・・)

罫線

「増患」「自費率UP」の会議などを定期的に行っている診療所さんも多いですが、笛吹けど踊らずではないですが、スタッフがあまり乗ってこない。

解決策

増患、自費率UPの目標達成できたら、スタッフにどのように還元するのかを明示されていないケースがあります。「評価制度を導入して貢献度合に応じて給与を払う」「スタッフをもう1人いれて有給休暇などが取りやすいようにする」「達成賞与を設ける」「慰安旅行」「希望者に対し有料の外部セミナーに参加させ成長の機会を与える」「一流ホテルでの食事会」など、スタッフにとってメリットを感じれるものを示してあげましょう。

罫線

有給休暇を取りたいとの申し出を聞き入れない為のトラブル。

解決策

スタッフにとっては土日祝などに平日の有給を絡めて大型連休にして旅行などに出かけられる職場と、値段が高くなるゴールデンウィークやお盆、お正月などにしか出かけられない職場では、満足度はかなり違うというデータがあります。従って、従業員の権利だからと毎月のように有給を請求されると非常に嫌悪感を抱く先生も多いかとも思いますが(偉そうに言う私もそうですが・・・)、旅行などに行ってリフレッシュする為の有給などは、積極的に取らせて上げるよう耳を傾けてあげたほうが、スタッフにとっても医院にとってもよいことだと思います。

罫線

土曜日の診療時間を17時までであったのを19時までにしたとか、木曜日の診療は、午前中のみであったのに午後の診療を始めたなどというときにスタッフとのトラブル

解決策

年間所定労働時間を常に意識しておいてスタッフにもなるべく年間労働時間に変更がないように労働条件を移行する。どうしてもそれができないときには、代替案を用意する。また、いきなり発表するのではなく、何ヶ月も前から事前に予告しておくことや、採用時にも休日、診療時間の変更がある旨伝えておくというのも大切だと思います。

罫線

衛生士さんのリーダーさんにチーフ手当などの手当を出したにもかかわらず、チーフとしての責任と自覚を持ってくれないと言って手当額を下げたり、チーフ職を外したりすることによるトラブル

解決策

まず、チーフなどの役職をつけるときに、チーフとして期待する仕事を具体的に紙に書いて手渡してあげてください。何もしてくれないと嘆く先生の中に、「何をして欲しいのですか」と言う私の質問に答えられない場合も非常に多いです。従って、先生ご自身が何を期待するのかを事前に整理しておくことが大切です。

罫線

年末年始などの休みをその年の曜日によって変えることで起こるトラブル

解決策

直前にならないといつから休みなのかが分からないという不満は結構あります。できるだけ年間カレンダーを作って年末に翌年のカレンダーを明示しましょう。年末年始に関しては、年により29日から休みであったり30日からになったりすることも多いと思います。同じように年始も4日からであったり5日からであったりとその年の曜日により違ったりしますが、トラブルにならないまでもこれらの不満を結構聞きます。事前に休みについてのルールを決めておきましょう。

罫線

|↑|ページTOPへ戻る

労務管理ハンドブック無料進呈

※は入力必須です。

送付先住所
会社名
氏名
現在の状況 開業者 
開業予定( 月ごろ開業予定) 
その他
連絡先 電話
メールアドレス
送信>>

|↑|ページTOPへ戻る

診療所様が使いやすい助成金
 雇用保険の制度から多くの助成金があります。助成金制度は、融資とは違い返済の必要 がありません。毎年、非常に多くの診療所様受給されていますが、その制度をご存知で申 請手続きまでされている診療所様は限られているというのが実態です。そこで弊所では無 料診断をアンケート形式でさせていただいております。結果は、原則メールでさせていただいております。お気軽に送信ください。

ページTOPへ戻る


河本社労士事務所 : スピード経営のベストパートナーを目指す
〒541-0047 大阪市中央区淡路町2-4-3 ISOビル7階
電話 06-6228-8555/FAX 06-6228-8556
Copyright c 2005-2008 Komoto Social Insurance Consultant Office